2008年12月22日

REPORT 15 成功回避型の心理

 本当はもっとやれるのに、潜在意識が勝手にブレーキをかけて成功を無意識的に回避しようとする心理のことを「成功回避型の心理」というそうです。そもそもは総合職として出世した女性が、同僚の男性に妬まれないように、そういった心理が生じたということだそうですが、この心理については幅広い分野に応用して考察できると思います。
 僕の実家がそうなのですが、たとえば江戸時代からの百姓である場合、村八分などを恐れて目立った行動を取ることを習慣的に控えます。また、同じ百姓同士だけではなく、支配者である侍身分の人間から目を付けられると更に厄介になるために、ここでも意識的にせよ、無意識的にせよ、成功回避的な行動を取るようになります。また、地域的な問題も無視できません。東北地方は古代より中央の支配を受け続けていました。もう千年以上も前の話ですが、蝦夷(えみし)と呼ばれる民族が朝廷に対して幾度となく反旗を翻していた時代がありました。坂上田村麻呂や征夷大将軍という、キーワードが現れるのはこの頃のことです。征夷大将軍という言葉も象徴的ですよね。源頼朝依頼、日本の実質的な最高権力者が就いた地位が征夷大将軍ということになるのですが、その意味は読んで字の如く、蝦夷つまりは東北地方を征服する任務を負った将軍なわけで、東北人は支配されることが宿命付けられていたという言い方もできると思います。言い換えれば、東北人は支配されることに慣れているのです。
 東北出身であり、百姓の出である僕はまさに成功回避型心理がもっとも発動しやすい環境で生まれ育ったということになります。もはや、遺伝子に組み込まれていると言ってもいい。この成功回避型心理という実に厄介な病に感染していると気付いたのは、本当に最近のことです。たとえば僕は最近まで小説家を目指していたわけですが、思い返してみれば、落選を知ったときは確かに落胆するのですが、その一方で安心している自分も確かにいたのです。それには、プロとしてやっていく自信がない、まだモラトリアムを終わらせたくない、という意識も働いたのでしょうけれども、それ以上に潜在意識上でこの心理が働いたことが大きいように思われます。
 ワタミグループの総帥、渡邉美樹さんは幼い時に母親を失い、また父親の会社が倒産するという不幸を体験している方なのですが、何かの著書でこんな趣旨のことを言っておられました。
「不幸が起きると、やっぱり自分には不幸が合っているのだと安心している自分がいました。不幸に慣れてしまっていたのです。この自分を払拭するために、私は内心で人知れず壮絶な闘いを繰り広げていました。自分は成功していいんだと自分自身に常に言い続けていたのです」
 これこそがまさに成功回避型との闘いでしょう。そして、渡邉さんは見事その心理に打ち克って成功を収められた。僕が見本にすべき実話がここにあると思います。
 今僕は想像していた以上に順調に事を進めています。それはそうなるように着実準備を進めてきたという経緯があるのですが、ここで慢心しては事がだめになる。それ以上に恐ろしいのが成功回避型の心理です。成功することに躊躇し、失敗することに安息を覚える。これでは一生堂堂巡り。まるでデフレスパイラルのような負の螺旋を下り続けることになります。そこから脱するためには、渡邉さんのように成功していいのだと自己暗示をかけることが必要でしょう。そして、何より、これだけやったんだから当然成功するだろうと自他共に認めるほどの努力をする必要がある。
 文法的にやや間違っているかも知れませんが、僕は最近自分自身に対して言い聞かせている言葉があります。
 やるべきことを、やるべきようにやれば、奇跡は奇跡でなくなる、と。
 あるいは成功者と呼ばれる、各世界のトップに君臨する人々は自分が立ちえている場所が頂点だとは認識していないのかも知れません。彼等はこう言うでしょう。無我夢中でやっていたら、この場所にいただけだと。その境地に至ることが理想です。このステージに到達することができれば、成功回避型の心理は見る影もなくなっているでしょう。
posted by 発起人 at 19:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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