2009年05月30日

REPORT 75 コップ理論

 遙か大昔、アメリカのとても偉い方が唱えた理論に「AIDMA(アイドマ)」という考え方がございます。
 ご存じの方もいらっしゃるでしょうが、一応説明しておきます。
 
 Attention 注目・認知
 Interest  興味
 Desire   欲求
 Memory  記憶
 Action   行動
 
 これの頭文字で、つまりこれはお客様が買うまでのプロセスを表したものです。
 もっとも、いくら経営や営業を学んでいるからといって、この単語を覚える必要はまるでないと僕は思うわけです。「ほうれんそう」とかなんとかかんとかとか、やけに短縮したあいうえお作文的なものを無理に覚えさせる会社などがありますが、あれ、どうなんですかね、効果あるんでしょうか。
 あんまり短縮標語的な物を覚えさせられると、逆に思考停止が始まり、発想力が阻害されてしまう要因になるのではないかと危惧します。
 それなので、あ、こういう考え方があるんだな、程度の認識で十分かと思います。
 
 僕はそういった本を読む以前に、感覚的に同じような理論を自分の中で確立しておりました。
 確立と申しましても、僕は学者ではございませんので、そんなスマートなまとめ方ができません。ただし、学者先生の理論よりも覚えやすいかと思いますので、参考までに書かせていただきます。
 
 僕が提唱するのは「コップ理論」です。
 AIDMA(アイドマ)に比べて何と垢抜けない言葉でしょう。頭文字集めた言葉でもない。
 
 どういうことか?
 
 自分が何かを買うときのことを思い浮かべてみてください。
 本屋で本を買う、あるいは服屋で服を買うという場合がわかりやすいのでそれを例に考えてみましょう。
 特定の本を買う目的でないのに、本好きな方は習慣として本屋に立ち寄ると思います。また、服が好きな方もそうでしょう。いい物があったら買おうかなくらいの感覚でお店に入るのでしょう。
 それで、少し気に入った物があれば、よし買おうと、買います。
 それは「ほしいコップ」が小さいために、すぐにコップがいっぱいになってしまうからです。
 ところが、車や高価なアクセサリーとなればどうでしょうか。ふらりと店に入って、よし買おうとはならないはずです。
 それは「ほしいコップ」が大きいために、なかなかコップがいっぱいにならないからです。
 売る側は、この「ほしいコップ」を溢れさせるために、テレビCMやら広告を雨あられと投入します。
 ね、欲しいでしょ。欲しいでしょ? 買いたくなってきたでしょう?と。
 無意識にテレビなどみていて、湯上がりなどにコカコーラのCMが流れると、「ほしいコップ」がいっぱいになります。また、車のCMを何度も何度も見ていると、「ほしいコップ」が徐々にいっぱいになってきて、ある瞬間に溢れます。そして、買ってしまうわけです。
 コップをいっぱいにするには、一つの手段でなく、いくつかの手段が重なったときが最も効果が大きくなります。
 たとえば、「ああ、あのデジカメほしいな、買おうかな、でもお金ピンチだしな」、と迷っているとき、テレビCMではコップの九分目までしかいかなく、それ以上はなかなか溜まらなかったとします。けれども、知り合いなどが会話の合間に何気なく、
「あ、そういえばあのデジカメかったんだ、すごくいいよ!」
 などと言ってしまえば、「ほしいコップ」はすぐに溢れてしまいます。あ、もう買うしかない、となるのです。
 この「角度変え」の法則は、恋愛にも当てはまります。
 たとえば、「あの子、なんかいいよな、でも気のせいかな」、とまだ思っている段階だとします。
 でも友人などの第三者が何気なく「最近、あの子かわいいよね、まじで」なんて言ってしまったときには、「やっぱりそうだよね!」と一気に「恋愛ほしいコップ」がいっぱいになるなんてことがあります。
 ちなみに、ドラクエやファイナルファンタジーなどのモンスターゲーム、ワンピースやのだめなどのモンスターコミックの最新刊については、前作、前号を読んでいる段階で、仮想次巻の「ほしいコップ」がすでにいっぱいになっている状態なので、発売日に迷わず買うことになるのです。
 
 売る側はこの「コップ理論」を逆手に取ればいいということになる。
 様々な角度から、「ほしいコップ」をいっぱいにするようにすればいい。広告でもいいし、ブランディングでもいい。なかでも、口コミというのは作為的ではないので、効果は抜群になります。
 ただ、一つ注意しなければならないのは、対象を分散しては結局、何も得られないということです。
 たとえば看板で本を広告するとします。
 心理的にはなるべく多くの商品を掲載したくなります。けれども、この場合複数掲載は絶対にしてはいけません。なぜなら、5商品掲載したら、見る人は心の中には5つの「ほしいコップ」が生まれ、結局は看板のキャッチ能力ではそのいずれもいっぱいにすることができないという結果になってしまうからです。
 できれば、看板に大きく一つの商品を掲載し、その作品がいかに優れているかを、あらゆる角度から描く。出版社から提供されたポスターやポップはこの場合、あまり威力を発揮いたしません。
 威力を発揮するのは、一般読者や書店員の手書きのポップです。
 これはちょうど口コミや何気ない第三者の一言と一緒です。
 支配された人の言葉ではない、つまり作為的でないから「ほしいコップ」は一気にいっぱいになり溢れて、買いたい!となるのです。
 
 なんてことを、改めて思い出し、改めて考え、また新たな知識を吸収している毎日でございます。
 
 明日は、久々の休日!
 この一週間は本当によくやったので、明日は本当に楽しめそうです。
 がんばれば、がんばっただけ、休みの日も充実するものなのだとおもいます。
 
 さて、風呂、溜まったな、ゆっくり入ろう、と思いつつ、今日も頑張ったので鼻歌でございます。
posted by 発起人 at 01:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記