2009年04月02日

REPORT 51 引きつけて撃つ

 幼いときから、僕は戦争映画が好きでした。
 洋の東西問わず、時代を問わず、男が命を賭して戦っている姿を見るのが好きなのであります。戦争の善し悪しは別として。
 戦争映画では、こんなシーンがよく見られます。
 たとえば、戦国時代。
 夜が明けて間もなく、若干の霧が立ちこめる中、柵の後ろで火縄銃を構えて敵を待つ鉄砲隊の一団があるとします。彼方で鬨の声が上がり、男達の声とともに、騎馬隊の馬が大地を踏みしめる音が怒濤のように鉄砲隊に迫ります。やがて、槍を掲げ突き進む、その躍動する勇姿が見えてくる。逸る鉄砲隊は、迫り来る恐怖に耐えきれずに、いち早く発砲しようとします。ですが、鉄砲隊の指揮官が彼らを制止します。
「まだ、まだ。まだ撃つな」
 騎馬隊の足音はもう身を震わせるほどになり、敵の雄叫びも近くなる。けれども、指揮官は発射命令を下しません。
「まだだ、まだまだ。もっと、引きつけろ」
 騎馬隊が柵に迫り来て、敵の顔まで認識できるようになって、初めて指揮官は采配を振るいます。
「撃て!!」
 轟音とともに、一斉に火縄銃は火を噴く。恐怖を極限まで我慢したあとの、一斉射撃。
 敵騎馬隊はばたばたと倒れ、一気に士気を失います。
 鉄砲隊は相手が隊列を整える前に、第二波の準備を完了させ、また引きつけての斉射。
 あとはこれを繰り返せば勝利は見方に転がり込んでくる。
 
 重要なのは、第一波の攻撃をいかに極限まで耐えることができるかということです。恐怖に逸る気持ちを抑え、もっとも効果的な時にもっとも効果的な攻撃を仕掛ける。
 これは何も戦争に限ったことではありません。我々起業家についても同じことが言えるのではないでしょうか。
 起業とは恐怖との戦いです。まず、第一に本当に収入が得られるかどうかという恐怖がまるで騎馬隊のように迫り来ます。夜寝ようとしても、その怒濤のような足音と雄叫びが耳の奥でなって眠ることができないという人もおられるかも知れません。たしかに資金ショートという敵が自分の陣内を蹂躙すれば、その戦いは負けとなる。
 けれどもやはり、怖いからと言って闇雲に、単発的に攻撃を仕掛ければいいというものではありません。俯瞰的な見地なき拙速な攻撃は、決して大きな成果を上げることができません。恐怖に苛まれるときこそ、冷静沈着に、戦略的に行動しなければならない。
 つまり、中長期的な展望から、逆算して今なすべきことを確実にやる必要があるということです。何度も言っていますが、やるべきことをやるべきように。たとえば広告費の投入や、販売促進ツールの展開は、準備が整ってからでないと効果が得られません。しかも単発的に仕掛ければ、戦術でいうところの各個撃破の対象となる。必要なのは、兵力の集中と局地への投入。コストパフォーマンス的な見地から言っても、その方法がもっとも効率的手段となります。
 ここで重要となってくるのは、自らの一斉射撃に絶対の自信を持つと言うこと。残念ながら、この自信というものは、一朝一夕に形作られるものではありません。戦場で部隊を展開している時点では、すでにそこの面の勝負はついている。つまり、戦場に来る以前に事前にどれだけ準備できたかということが、自信に直結します。ぎりぎりまで引きつけて撃てる忍耐力につながります。その意味で、戦場に到達する以前に、戦争とは半ば勝負がついているものなのかも知れません。孫子が言うところの、百戦して危うからず、という境地はやはり事前の周到なる準備に基づくものなのです。
 
 さて、僕と言えば帰京してから4月1日に法務局で株式会社設立登記申請を正式に済ませ、そして今さっき東京都行政書士会に赴き、必要書類を提出して登録の手続きを済ませて参りました。株式会社東京プライズエージェンシーの設立日は4月1日ということになり、また行政書士事務所は一ヶ月から一ヶ月半後に正式に営業できるようになります。着実に準備が整っていく一方で、会社としてスタートしたばかりのこの二ヶ月は、資金ショートという恐怖との戦いとなるでしょう。
 けれども、僕はこの日のために、およそ一年間周到に準備を重ねて参りました。先ほどの例でいえば、自分の一斉射撃に絶対の自信を持っております。これは決して慢心ではありません。自信を持っても誰も文句を言えないほどに、この一年間努力してきたのです。
 戦略的に人事を尽くして来たので、あとは天命を待つのみです。
 このはじめの二ヶ月に勝利することができれば、間違いなく成功するのだと思っています。
 この一世一代の大戦において、自分はどのような采配を振るうことができるか、と客観的に自身を見て楽しみでもあります。ピンチの時こそ、人の真価が表れるというもの。
 今まさに僕は戦場のただ中にあるのだということです。
 
 
 
 N県において戦いを始めたO君、君は一人ではありません。応援する多くの仲間がいることをお忘れなく。次に会うときには、お互い、いい表情をしていたいものです。健闘を祈ります。
 学問研究の道をあえて選んだA君、ご無沙汰しておりますが、君も頑張っていることでしょう。近いうちに、また会いましょう。
 日々、稽古に精進しているMさん。若いながらも君は演技のプロです。お金をもらっている以上、プロとしてお客さんの前に立たなければならないということです。それはある意味プレッシャーとなるでしょうけれども、それ以上にプロとしてのプライドは自分の演技をさらにいいものにしてくれるでしょう。
 美容師のOさんに関しては、どん欲に人脈を広げているようですから、心配しておりません。13日は楽しみにしております。お初にお目にかかる同僚の方々に関しても、君が言うのなら面白い人たちなのでしょう。

 就職活動で奮闘中のUさん、困難な状況の中、奮闘しておられる様子。バイト先も本当に近所なので、困ったことがあった際は遠慮なくお立ち寄りください。何か力になれるかも知れません。
 また、Wさん、天気が悪い中、昨日は来てくれて本当にありがとうございました。ちょうど会社設立祝いのケーキも買ってきてくれて。いつも何かもらってばかりで、恐縮です。サポートが必要な際は言ってください。昨日の悩みの件、どんな選択をしようとも、応援致します。それと小説執筆の件、真剣に考えてみてください。
 
 故郷宮城におられる皆さんにおかれましても、これから様々お願いすることになると思いますが、なにとぞよろしくお願い致します。

posted by 発起人 at 17:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記