2008年11月29日

ビジネス:『社長の器』佐山展生編 

 今日は久々に本格的にビジネス書に目を通しました。『面白いことをとことんやれば、起業は必ずうまくいく。』、『僕は本場のミステリーショッパー』、『ゼロから会社をつくる方法』、『Web経営学入門』と目を通して行ったのですけれども、特に参考になったのがこの一冊『社長の器』です。
 福助を再生させて一躍脚光を浴びた、藤巻ブラザーズの弟藤巻さんや、企業再生を請け負う頭脳を会社に送り込むという手法で成功しているリヴァンプなどの話はたしかにためにはなるのですが、社長というよりも重篤な患者に緊急オペを施す名医のイメージがあってどうも「社長の器」というタイトルにそぐわないような気がしました。一方、カンブリア宮殿や自著などで近頃注目を浴びている日本電産社長の永守重信さんの話には参考にすべき点が数多くありました。というより、もはや名言の宝庫です。
「経営者は野心を持たないといけない」
「就職難のときこそ、企業にとっては優秀な人材を得やすくなる絶好のチャンスだ」
「IQの個人差はせいぜい2倍程度だが、EQ(おもにやる気)の個人差は100倍にもなる」 
「偉くなってほしいと思っている女性が周りにいたほうがいい。早く帰って子供をお風呂に入れさせてほしい、と言っているお嫁さんをもらった人は、わざわざ経営者にならなくても十分幸せだ」
 最後の言葉などはずいぶん含蓄のある言葉と思います。経営者という特殊な地位にある人間はやはり「普通」ではない、または「普通」ではいられないのではないでしょうか。迅速かつ厳しい決断を常に迫られることになる経営者の立場を知り尽くしている永守さんならではの言葉です。ちなみに永守さんの奥さんは永守さんがl帰宅すると、「今日は日本電産の株価が下がってるけどどういうこと?」と聞くような方なのだそうです。永守さんが、そんな奥さんを大変気に入られている様子が行間から滲み出るように伝わってきます。
 また、永守さんだけではなく、本書に登場する多くの社長さん方、そして編集された佐山先生も共通して言っておられることが、次のことです。
「経営者に必要な資質は、胆力であり、ポジティブ思考であり、コミュニケーション能力を含めた人間力である」
 ここでいう胆力とは、本当に追い詰められたときに、どれだけ冷静でいられるか、ということ。周りにもいないでしょうか、普段はぼうっとしているように見えても、いざという時に肝が据わっている人。僕の周りにもその様な人がいます。以前、ある式典に一緒に参加した時のこと、その人はいつもは「いい感じで脱力」しているのに、全国ネットのカメラとマイクを向けられた場面や有名人と話をする場面には、背筋に一本何かが通ったようにしゃんとして一つも臆することなく堂々と振舞っていました。僕はその様子を側から見て唖然としていました。いつもと同じ人物だとは到底思えなかったのです。それから、その人に密かに敬意を抱くようにさえなりました。
 ポジティブ思考については最近ベストセラーになっている『竹中式勉強法』において、竹中さんが小泉元総理を引き合いに出して、こんなことを言っておられたのが印象的でした。
「前向きな人には、不思議な人間治癒エネルギーがあり、これを求めてまた前向きな人が寄ってくる」
 本書において編者の佐山先生も同じようなことを言っておられます。
「悪い人からは良い人は離れていき、悪い人たちが凝縮されたような集団が形成されます。良い人は悪い人を排除しますので、良い人たちが濃縮された集団が形成されます」
 それに加え、その集団が永守さんが言うところの「EQ(やる気)100倍」化すれば、もう怖いものはない。
 胆力を備えたすぐれたリーダーがいて、その元に良い人材が結集し、共通した意識の元で高い士気を保つ。そう言った企業こそが成功するのだと思います。
posted by 発起人 at 23:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評